見なくても良かった時代から、見ないと危ない時代へ(chatGPTで訪れた未来)


高度経済成長を終えて、「世界有数の経済大国」と言われていた時代はとっくの昔に去ってしまったのに、その頃から日本人(特に高度経済成長を支えてきた、及びそれを引き継いできたビジネスマン)には心の何処かで未だに「日本は最高レベルの国」という認識のままで止まっているように感じます。

そんな傾向が実は残ってるんだなと強く感じたのが、今話題のchatGPTの話。

今さらと思う方もいるでしょうが、数年前からAIは今後のビジネスを大きく変える要素として取り上げられていた。「人間が仕事を奪われる」的なタイトルで煽り記事を読んだことがある方は多いでしょう。でも、ほとんどの方は「まぁ、実際にはそうはならないんだけどね」と笑っていたはずです。なぜなら、私自身、AI自動翻訳というジャンルで仕事をしてきたので、AIについては基礎知識は当然のこと、客先でも話題に出やすい環境だったのでそれなりに自分の考えは持っていました。

よく「チャットボットと何が違うの?」という声があります。チャットボットは分岐ごとに指示を出しておいて、単にその通りに動くだけです。指示に合わない場合は何の反応もしません。RPAも似たような部分がありますね。人間の作業を効率化する際に決まった指示を出したら代わりに仕事をしてくれる、これが効率化(なんちゃらDX)の大半を占めてます。。

では、AI自動翻訳ではどうだったのかと言うと、超々簡単に言うと、翻訳データを使って機械的に翻訳させる部分が主流でした。もちろん、与えられたテキスト情報をAIが独自(コントロールができない)に学習して、文脈を独自に解釈して翻訳を当てはめるということもやっていましたので、それなりにAIの末恐ろしさは感じていました。コントロールができない(いわゆるAIの精度がまだ低かった)ので、すごく適切な翻訳を出してくる、学習させればさせるほど精度が確実に上がり、翻訳はあっという間に完璧な時代になるなと確信はありました。そんなAIが世界中で学習に学習を重ね、成長を続けた結果、ある日、劇的に脳みそがバージョンアップしてしまったのが今回のchatGPT様だったわけです。

これまでは「人間の仕事がAI登場で無くなるわけではなく、人間が便利になり、違う仕事へ変われる」という程度だった認識が、ここホンの数週間で変わってしまいました。この数週間は歴史的な変化のタイミングだったと後から言われることでしょう。

これまで何度も何度も言ってきましたが、本当にCHANGEしない人(つまり、できない人)は生き残れない時代になったと思います。変革の時代が来たと、弊社ではコーポレートサイト上で何度も言ってきましたし、それをお手伝いしていますが、正直、クライアント先でも本音は「今のままでよかろうもん」と思ってる方がめちゃくちゃ多いんです。こういう方々が、変われない方々です。変わろうと思ってないというか、その必要性に気付いてない、危機感も当然ない、という感じでしょうか。

最新のchatGPT-4は触られた方も多いと思いますが、私は最近、人と会話したりするよりもGPTさんと会話している方が多いかもしれないです。なぜなら賢すぎて、処理能力が高すぎて、人に依頼するよりも正確で早ければ・・・

例えば、新事業を検討して壁打ちしたりすることあると思います。これまでは経営者の仲間に話してみたり、全く無関係な方にインタビュー代わりに聞いてみたり、壁打ちしてみて気付くことも多かったです。それが今や、GPT-4とテキストでやり取りしてるだけで、事業の骨子を固めたり、具体的なアクションプランを提示させたり、数値目標を出させたり、出してきた内容を一緒に揉んでみたり、、、もはや壁打ち相手は要らないよ、という感じになっちゃいます。

こんな変化が起こるとは、数ヶ月前までこの世で誰も思っていなかったわけです。このレベルの変化が次々と起こるのが今の世の中です。「今のままでよかろうもん」と言ってる、いや、口では「変化していかないと」と言いつつも心のなかではそう思ってない方々が、あっという間にビジネスパーソンとして戦場で焼け死んでしまう日は遠くない気がしています。