移住に関するあれこれ

コロナ以降(緊急事態宣言以降)、ブログの更新すら忘れてた。「コロナ感染が心配で仕事どころじゃない」ではなく、「コロナの影響で経済的に死んでた」のでもなく、ただただ、急激に激しさを増した【世の中の変化のスピード】に感心して、その動きに取り残されることのないようにしがみついてました。「日本は外圧に弱い国」とは昔から言われていたけれど、政府や市民が自らの意思で決めて行動したことでなく、何らかの外部環境の影響で「せざるを得なくなった」途端に、ホント急速に世の中が変わり始めた。この2年弱で、それまでの10年分ぐらいはいろんなことが変化したんじゃないでしょうか。

東京と言えば、日本と言えば、この通勤風景。

進んだのか?

私自身がリモートワークを強く推奨しているのはコロナ以前からでしたが、コロナによって多くの企業がリモートワークを導入せざるを得なくなりました。つまり、それまではリモートワークが企業にとって様々な良いことをもたらすと思っていなかった大半の企業が(一種の)外圧によって導入を選択しました。(この過程ですら好きではないけれど、結果良ければ、と思うようにしています)

リモートワークは、あくまでも「コロナ感染防止を目的として」多くの企業が導入しました。その結果、写真のような通勤風景が一瞬だけ減りました。緩和されました。私自身は東京生活を離れた一番の理由は、この通勤風景(満員電車)だったので、良かった良かったと思っています。あんな非人道的な空間は無くなった方がいいに決まってるし、好き好んで満員電車に乗ってる人(特に女性)はいませんから、国民全員が諸手を挙げて一気に『リモートワーク大賛成!もう、以前には戻らない!』となるものだとばかり思ってました。

やれなくはない

そうは行かないもんなんですね。これには(予想に反して)ビックリしたと同時に(想定内でもあって)呆れました。変化が起ころうとすると、必ず、「変えなくてもいい」って意見が無理矢理に誕生する。いつもの繰り返しに少し呆れました。弊社(合同会社ごきげんコーポレーション)は、創業時から全てフルリモートで、固定オフィス不要と決めています。住所は登記上のためだけ。本籍地のように好きな場所を選べるなら皇居にでもしたいぐらいです。正社員も要らない。案件ごとにリソースは外注すればいい。雇用してもいいししなくてもいい。会社を大きく育てようと(今のところは)思ってないので、やりたい案件に合わせてメンバーを募ればいい。役所からの要請以外に紙の書類を持つ必要も無い。当時はそんな会社は少なく、株式会社ロゼッタに出会った時はあまりに同じ発想だったのでホントに驚きました(上場企業でそんなコトしてる会社があるんだって驚いて「でも実際にできるよね」の確認・検証も含めてJOINした部分もあります)。コロナ禍を経て、世の中の大勢が少しだけこっちに傾いてきてる気がして嬉しくも思っています。

リモートワーク
場所を選ばないのがリモートワークの良さ

ようやく始まったばかり

世の中的には、様々な形で移住が広がり始めてます。そのこと自体は大歓迎で、とても良いことです。私はTwitterの個人アカウントで主に移住に関するニュースをツイートしてますが、直近ではこんなニュースもありました。全国の自治体が任期制限付きで移住公務員を募集しているって話(給与は国が持つ、とかの話はさて置き…)。こういう形でも、今はとにかく、東京一極集中(何事も東京であるべき)を終わらせることが大事だと思っています。私が考える地方移住の理想形とはちょっと異なるけど。

想定される課題

私が推奨する地方移住には、まだまだムーブメントが不足している。様々な面でのムーブメントが必要だ。最初は誰も気付かない程度の小さな波から始まり、波が何重にも重なり、気付けば大きなムーブメントになるのが理想形だ。小さな波の一つ一つが、徐々に顕在化する、数え切れないほどの課題を解決する。

リモートワークが進まない大きな理由は、実は個人ではない。会社が実は望んでなかったり、支援が無かったり、という状況を個人だけで解決しようとして挫折してしまうケースも多い。会社経営をしてことがある人には当たり前の話だが、会社を経営する上で、一定規模になるまでの間は特に、固定費の負担は非常に大きい。固定費の大半は人件費だが、次に事務所の家賃だ。しかも、繰り返している通り、何でもかんでも「ビジネスをする上では東京が絶対」という長年に渡る信仰がいまだに残っている。

私がビジネスマンとして歩き始めた昭和の時代はそうだった。当時、私は広告企画のプランナーをしていて、紙の企画書を持って大手広告代理店に明日を運ぶのが日常だった。「いいね!」となったら、すぐに代理店の営業がクライアントへ電話をして、その日にでも飲みに行く、ってフットワークが日常だった(つまり、毎晩のように飲み歩く日々…)。大手広告代理店は当時から首都圏のド真ん中なので、東京にオフィスがないとこの仕事は成立しなかった。こんなパターンがおそらく多くの業種で当たり前だった。まさに日参。私は当時は、TとDとHをグルグルと回るのが当たり前だった。

そんな時代から、インターネット登場後、あっという間に時代は変化して、メールでデータを送ったり、オンラインでMTGしたり、以前には考えられないほど効率的に仕事ができるようになった(私は業種は全く変わったけれど)。肌感覚で、(スキルは別として)当時の2~3倍は業務効率が上がったと思う。これは一般的な話。1日に5~6件のMTGとかあり得なかった。とにかく時代は変わった。都心の高層ビルにオフィスを構えて、高い家賃を払い続けることが普通ではない時代になった。もはや、価値がないと思う。(いろいろな事情があるのは察しているが)それを未だに続けている以上は、誰も社員がいないオフィスを望まないのは当然だ。いずれこの状態に戻ることを望んでいる会社は、リモートワークに対する援助もしないだろうし、結果的にネット代や光熱費の増加分負担は個人がしているケースはまだ多い(交通費が発生しなくなって会社は逆に儲かってるぐらいでしょう)。こういった発想を一つずつ変えていかないと、便利でしか無いリモートワークが一時的なもので終わってしまい、大きく日本全体で見ると激しい損失になりかねない。

 ・リモートワークを実施する社員には(会社の光熱費が軽減される分から)定額支援。
 ・自宅は環境的に好ましくない場合は、コワーキングスペースなどの利用料を会社が負担。
 ・つまり、通信費や光熱費増加分を個人に負担させない。
 ・この機会に、やってなかった会社は紙とハンコを廃止して、会議体はオンラインにする。

こんな当たり前のことを会社が実施するだけで、あっという間にリモートワークは普及する。気付いているのに何らかの理由でやらない選択をしている会社がほとんどだ。残念ながら、まだこれが現状。「リモートワーク with KIDS」という言葉がある。小さなお子さんがいる家庭ではその点にも配慮をする必要がある。既に対応策は顕在化しているので、一つずつ実施していくだけのことで、何も難しい話ではない。可能な限り、リモートワークにシフトしましょう。